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かつて古墳に葬られた犬がいた?

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ペットのお墓はいまでは珍しくありませんが、日本には古墳に葬られた伝説の犬がいたのをご存じでしょうか。

 

  • 聖徳太子も加わった内乱がきっかけ

 

西暦587年、日本では古墳時代の後期、飛鳥時代とも呼ばれる頃、大和朝廷では「丁未の乱(ていびのらん)」という大きな内乱が起こりました。

大陸から伝わった仏教の扱いを巡って、廃仏派の物部守屋(もののべのもりや)と崇仏派の蘇我馬子(そがのうまこ)という実力者どうしが争い、厩戸皇子(聖徳太子)などと組んだ蘇我馬子が勝利した戦いです。

大和朝廷が仏教を厚く敬い、国造りの中で重要な役割を果たすようになった、歴史上きわめて重要な戦いです。

 

この戦いで敗れた物部守屋の側近に、捕鳥部万(とりとりべのよろず)という武将がいました。

勇敢に戦ったものの、最後は自刃して果てましたが、そのとき飼い犬であった白犬が主人である万(よろず)の首をくわえていって古い塚に埋め、そのままその場を動かず、飢えて死んだといいます。

この話を伝え聞いた朝廷の許しを得て、捕鳥部氏の一族は、万(よろず)と白犬の墓を並べてつくり、葬ったといいます。

これが現在、大阪府岸和田市の郊外にある天神山古墳群にある「大山大塚古墳」とその近くの「義犬塚古墳」です。

 

「義犬塚古墳」は直径20m、高さ3mほどの円墳で、現在は岸和田市の史跡に指定されています。

本当に犬が葬られたのかどうかは分かりませんが、「日本書紀」には上記のような記述があり、当時から広く知られた話だったと思われます。

 

 

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