大相撲のかつての舞台はペット供養の聖地でもある?2020.3.2
仏教の教えとの関係でペットの供養を行う寺院はいまでもそれほど多くありませんが、江戸時代から動物などの供養を積極的に行ってきた有名なお寺があります。
- 徳川家綱が開いた回向院
そのお寺は、東京・両国にある回向院(えこういん)です。回向院は江戸時代のはじめ、1657年(明暦3年)に開かれました。
この年、江戸では町の6割以上が焼失する「明暦の大火」が起こりました。亡くなった人は10万人以上といわれ、身元不明者も少なくありませんでした。
そこで当時の4代将軍家綱は、無縁の人たちを弔うため隅田川の東岸にあった現在の回向院の場所に「万人塚」という墳墓を設け、大法要を行いました。
このときに建てられた御堂が回向院のはじまりです。
※回向院ホームページ
回向院は「有縁・無縁に関わらず、人・動物に関わらず、生あるすべてのものへの仏の慈悲を説く」ことを理念とし、その後も自然災害によって亡くなった横死者や死罪に処せられた罪人などを埋葬してきました。また、1793年(寛政5年)、老中・松平定信の命によってつくられた「水子塚」は水子供養の発祥とされています。
回向院では、初期のころから馬頭観音様を中心に動物供養も行われてきました。
そうした経緯から現在、境内には「猫塚」「唐犬八之塚」「オットセイ供養塔」「犬猫供養塔」「小鳥供養塔」などさまざまな動物の慰霊碑、供養碑、ペットの墓などが設けられているのです。
このように社会に対して開かれた寺院であったためか、回向院は江戸時代には勧進相撲の舞台ともなっていました。
当時の相撲は主に、社会事業のための資金集め(勧進)を目的に行われており、回向院の境内で初めて勧進相撲が行われたのは1768年(明和5年)のことでした。
その後、1833年(天保4年)から回向院は春秋2回の興行の定場所となり、1909年(明治42年)に旧両国国技館が完成するまでの76年間、回向院相撲が続いていました。
大相撲のかつての舞台がペット供養の聖地でもあるのには、こうした長い歴史があるのです。
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