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「フランス」のペット事情

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ペットを愛する人は日本だけでなく世界中にいます。このシリーズでは各国におけるペット事情を取り上げてみます。今回はフランスです。

 

フランスは正式には「フランス共和国」といいます。人口は2022年で約6800万人ですが、国土は本国のみで551万㎢と日本(378万㎢)より広く、ギアナ、マルティニーク、ニューカレドニアなどの海外領土を含めると674㎢もあります。

 

そんなフランスもペット大国で、半数以上の家庭がペットと暮らしています。

具体的には2022年時点で猫が1490万匹、犬が760万頭にのぼります。日本は2023年時点で、猫が907万匹、犬が684万頭なので、人口が倍近い日本より多いです。

特に猫の多さが目を引きます。人口規模がほぼ同じイギリスでは猫が1250万匹、犬が1350万頭であるのと比べても、猫派の優勢はあきらかです。この傾向は20年ほど前から始まり、年々差が開いています。

https://www.facco.fr/chiffres-cles/les-chiffres-de-la-population-animale/

 

そんなフランスでいま大きな議論になっているのが、ペットショップでの猫や犬の販売禁止です。動物のショーケースでの展示やインターネットで一般人が販売することも含めて、2024年1月から実施されています。

現在、犬や猫を飼いたい人は、正規のペットショップからインターネットを通じて購入するか、ブリーダーから直接購入するか、または保護施設から引き取るしかありません。

こうした厳しい規制を行うようになった背景には、ペットの遺棄がなかなか減らなかったことがあります。動物保護団体によると、毎年10万匹を超える犬や猫が捨てられていて、しかもそれが5月から8月のバカンスシーズンに集中しているといいます。フランス人のバカンスは数週間に及ぶのが普通で、バカンスに連れて行けないためペットを手放す人がいるのでしょう。

ただ、フランスでは今後さらにイルカやシャチのショーの禁止(2026年)、巡回式のサーカスで野生動物の利用の禁止(2028年)も予定されているそうです。

動物の権利保護へ向けての並々ならぬ熱意(?)を感じるとともに、フランスは17898月のフランス革命直後、議会で「人間および市民の権利の宣言」(いわゆる人権宣言)を制定した「人権」発祥の国であることを思い出す人もいるかもしれません。

 

 

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