「シンガポール」のペット事情2024.9.10
ペットを愛する人は日本だけでなく世界中にいます。このシリーズでは各国におけるペット事情を取り上げています。今回はシンガポールです。
シンガポール(シンガポール共和国)はシンガポール島と60以上の小さな島々からなる都市国家です。以前はマレーシアなどともにイギリスの植民地でしたが、1963年にマレーシアの一部としてイギリスから独立。さらに2年後、マレーシアから分離して独立国となりました。
「シンガポール」という名は、13世紀に渡来したインド人が現地でライオンを見かけたことから、サンスクリット語の「ライオン」を意味する「シンハ」と、「町」を表す「プーラ」を組み合わせ「シンガプーラ」と呼んだのが始まりだとされます。
国土は719.2km2しかなく、東京23区(627.5km2)より少し広い程度です。
人口は585万人(2020年)です。東京23区の人口は986万人(2024年)なので、人口密度は東京23区のほうがかなり高いといえます。
シンガポールは狭い国土ながら、金融や貿易などにおけるアジアのハブとして発展し、いまや米ドル換算の一人当たりGDPは9位と日本(12位)を上回ります。
また、シンガポールは治安の良さ、清潔な街並みでも知られていますが、同時に公共の場でのルールが厳格で、落書き、唾吐き、紙くずのポイ捨てなどは罰金や鞭打ちの対象になっています。
ペットについてもシンガポールにはいろいろルールがあり、日本のように自由に飼うわけにはいきません。ただ、最近大きな見直しが行われ話題になっています。
そもそもシンガポールでは、国民の8割がHDBと呼ばれる公営の高層団地に住んでいます。HDBでは飼育できるペットが犬、鳥、魚などに限定されており、猫は禁止されていました。
また、犬も飼えるのは1頭のみで、種類も小型犬や中型犬で指定されたものに限られます。例えば、ミニチュアプードルはOKですが、ゴールデンレトリバーは飼えません。
万一、指定以外の動物を飼ってみたり、犬を2頭以上飼っていたりした場合、数十万円の罰金が課せられます。
なお、その他私有のコンドミニアムや一戸建てでは、大型犬も猫も飼えます。ただ、大型犬は3頭までです。
ペットの飼育についてこうした厳しい制限のあったシンガポールですが、最近、大幅な見直しが行われました。
それが国立公園局動物・獣医サービス(AVS)が管轄する新制度「キャット・マネージメント・フレームワーク」で、この9月1日からネット申請がスタートしたのです。
https://pals.avs.gov.sg/
この制度では、ライセンスを取得することとマイクロチップの装着を条件に、HDBでは一戸につき猫2匹、私有住宅では一戸に付き猫3匹の飼育が認められます。また、2026年8月31日までは移行期間ということで、ライセンス料が無料になるほか、現在飼っている頭数を引き続き飼育できます。
シンガポールの愛猫家のみなさんにとってはとても喜ばしいことですが、ここまで厳格にコントロールするというのは日本人には信じられない気もします。
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