「UAE(アラブ首長国連邦)」のペット事情2025.2.27
ペットを愛する人は日本だけでなく世界中にいます。このシリーズでは各国におけるペット事情を取り上げています。今回は中東のUAEです。
- UAEについて
UAEはUnited Arab Emiratesの略で、日本語では「アラブ首長国連邦」といいます。日本から遠く離れた中東の国であり、よく知らないという人も多いでしょう。
UAEが位置するのは、中東のアラビア半島の北東部。国土の大部分は砂漠ですが、ペルシア湾とオマーン湾に面し、ホルムズ海峡に近いということで原油輸送において重要なポジションにあります。
「首長国連邦」の名のとおり、UAEはアブダビ、ドバイなど7つの首長国からなる連邦国家です。かつてはイギリスの保護下にありましたが、1972年に建国。
現在は、豊富な埋蔵量を誇る石油や天然ガスのほか、貿易や観光、金融でも発展を遂げ、世界有数の富裕国となっています。
https://www.visitdubai.com/ja/places-to-visit/burj-khalifa
特にドバイは、828mと世界最高の高さを誇る「ブルジュ・ハリファ」、世界一豪華な超高層ホテルといわれる「ブルジュ・アル・アラブ」、椰子の木をイメージした巨大な人口島群「パーム・ジュメイラ」などで有名です。
ちなみに、UAEの11~3月は冬季で平均気温も20℃前後と過ごしやすく、観光シーズンとなっています(逆に6~9月の夏季は気温が50℃近くまで上昇)。
https://www.cntraveler.com/activities/dubai/burj-al-arab
https://focus.hidubai.com/palm-jumeirah-the-manmade-island/
- UAEのペット事情(1) 富裕層のシンボル
UAEの人口は2022年時点で944.1万人ですが、そのうち以前から住んでいるアラブ系の国民(UAE国籍)は13%ほど。その他はアラブ諸国や南アジア、東南アジアなどから来た移民や出稼ぎ労働者が占めます。
そんなUAEのペット事情には日本とは大きく異なる特徴があります。
ひとつは、伝統的な風習にもとづくペット、「ハヤブサ」です。かつて、砂漠の遊牧民たちはハヤブサを訓練して鳥やウサギを捕まえ(いわゆる“鷹狩り”)、貴重な食料としていました。そのため鷹狩りはアラブ文化のなかで重要な位置を占め、イスラム教の預言者ムハンマドはコーランのなかで、ハヤブサが捕らえたものは清浄なので食べても良いと認めているそうです。
しかし、20世紀になると鷹狩りの習慣は廃れてしまい、いまではハヤブサを飼っているのは王族など一部の富裕層に限られます。ハヤブサを飼っているのは富裕層のステータスでありシンボルなのです。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/gallery/092800376/
その一方で、日本では考えられないような規制も行われています。それが2017年に施行された「危険動物所有規制法」です。
この法律によって、チーターやトラ、ライオンといった野生動物のほか、クモやサソリ、ダチョウ、エミュなどを飼うことが禁止されました。それ以前、こうした動物を飼っている人(多くは富裕層)がいたのです。実際、UAEではペットとして飼っている猛獣の画像や動画がSNSに投稿されていました。
https://livedoor.blogimg.jp/shindenforest/imgs/5/4/5483d7e4.jpg
- UAEのペット事情(2) ワンちゃんたちの境遇
もともとイスラム諸国では宗教的な理由から犬は不浄な動物とされ、犬を飼う習慣がないそうです。そのため以前からUAEでは、公園など公共の場所に犬を連れて行くことが禁止されており、レストランや店舗も基本的に犬はNGです。
ただし、外国人が犬を連れて移住するケースがあり、先ほど触れた人口島群の「パーム・ジュメイラ」など外国人が多く住むエリアでは、犬を連れて入れる公園やカフェが増えているといいます。
ただし、問題はUAEでは夏季には気温が50度近くまで上がり、深夜でも40度を下回らないこと。そこで、飼い主が熱中症のリスクを考慮し、エアコンの効いた犬用ジムで散歩させてもらうワンちゃんたちもいるようです。
https://www.afpbb.com/articles/-/3421151?pid=24816693
「ところ変われば」と言われますが、ペット事情も国によってここまで違うのかという驚きを感じます。
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