「ペット信託」の仕組みとポイント2018.8.6
ペットを愛する飼い主のみなさんは、もし自分が長期入院したり、最悪亡くなったりしたら、愛犬や愛猫がどうなるのか、心配になるのは当然でしょう。
こうした心配に応える仕組みとして最近、注目されているのが「ペット信託」です。
「ペット信託」というのは、飼い主に何かあったときのため、飼い主の財産からあらかじ一定の資産(お金)を第三者(法人など)に預け、ペットの面倒を見てくれる人にその費用を渡すという仕組みです。
「ペット信託」というのは、日本司法書士会連合会の理事が考案し、2013年に商標登録されたネーミングです。
基本的には、2007年に改正された新しい信託法に基づき、信託契約等を使って組み立てるペットのための信託スキームといったほうがいいでしょう。
そもそも「信託」は、高齢者等の財産を管理する法的制度のひとつです。判断能力が低下した場合の「成年後見制度」、亡くなった後に備えての「遺言」などとよく比較されます。
信託の特徴は、資産を第三者(受託者)に移すことです。名目上、資産の所有権が移転するのです。ただし、受託者はその資産を自由に管理したり処分できるわけではありません。あくまで信託契約などで定められた目的や方法に従って、管理や処分をしなければなりません。
信託ではまた、委託された資産に「受益権」が設定され、その資産が生む利益(利息など)やその資産を取り崩したり処分したお金を誰が受け取るのか、自由に決めておくことができます。
このように信託では、必要に応じて、また委託者の希望に沿って、資産をめぐる様々な課題をオーダーメイドで解決することができるとされます。
ペットのための信託の場合、特に委託者が亡くなった後、ペットの面倒を最後までみることが課題です。
そこで、委託者の財産からペットの面倒を最後までみるために必要と思われる資産(お金)を受託者に預けます。
受託者としては、ペットの面倒を見てくれること頼める第三者(子どもや親せきなど)でもいいでしょうが、「ペット信託」では、委託者である飼い主が代表となった管理会社(法人)を設立することを推奨しています。
法人であれば、委託者である飼い主が亡くなった後も存在し、信託の受託者として活動できるという考え方のようです。
問題は、飼い主が亡くなったりした後、ペットの飼育に当たってくれる受益者です。これは基本的に飼い主が予め探し、飼い主が亡くなったらペットのための信託における受益権を与える(その代わりペットの飼育を行う)という契約を結んでおく必要があります。
また、飼い主が亡くなった後、受益者がきちんとペットの飼育を行っているかチェックするためには、信託監督人を別途、選任しておきます。
ペットにお金を残すには、自分が亡くなった後、ペットの面倒を見てくれることを条件に財産を譲るという内容の遺言をする「負担付遺贈」といった方法もあります。
ペットの信託にしろ負担付遺贈にしろ、手続きやコストなど分かりにくい点もあるので、司法書士など専門家に相談したほうがよいでしょう。
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